◆はじめに今回は前回Vol.1で予告したスパークリングワインについて書きます。「シャンパンはシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワイン」と聞いたことがあるかたは多いのではないでしょうか?では、フランスのクレマンやイタリアのスプマンテも発泡性のワインだけどシャンパンと何が違うかと言われるとたくさんスパークリングワインの種類があってわからないかたも多いはず。そんな方のためにスパークリングワインの種類と違い、開け方について説明したいと思います。
◆スパークリングワインとは(シャンパンとスパークリングは違います。)スパークリングワインの種類スパークリングワインとは3気圧以上のガス圧のある発泡性のワインのことを言います。(それ以下は微発泡ワインと呼ばれます。)シャンパンやクレマン、スペインのカヴァという名称はスパークリングワインの1種類となります。・シャンパンとは・・・・シャンパーニュ地方で作られた一定の規定を満たしたもののみ名乗ること ができるスパークリングワイン。 瓶内二次発酵(非発泡性のワインを瓶内で更に発酵させる方法)を用いて 造られます。瓶内での熟成も伴うので泡もきめ細かくガス圧 も5気圧ほどになるので泡の持続性もあります。 高級スパークリングに用いられる方法で手間とコストもかかります。・クレマンとは・・・・シャンパーニュ地方で作られていませんが、シャンパンと同じ作り方 (瓶内二次発酵)を用いて造られるフランスのスパークリングワイン。 ブルゴーニュ、ボルドー、アルザス、ロワール、ジュラ、リムー、ディの 7地域で造られます。クレマンドブルゴーニュというようにクレマンドの後に 地域名をいれて商品名を呼びます。他国でシャンパンと同じ作り方を しているスパークリングにはスペインのカヴァ、ドイツのゼクト(一部)、 イタリアのフランチャコルタが挙げられます。・上記以外のスパークリングワイン・・・フランスではヴァンムスー、イタリアではスプマンテ、 スペインではエプスモーソ、ドイツではシャウムヴァイン と国によってさまざまな名称で呼ばれています。ここで注目すべきはクレマン。シャンパンと同じ味わいでシャンパンより安く飲めるのでコストパフォーマンスが良くおすすめです。 スパークリングワインはこちら
◇スパークリングワインの製造方法スパークリングワインの製造方法は大きく分けて4種類に分けられます。◆シャンパーニュ(トラディショナル)方式非発泡ワインを瓶に詰め酵母と糖分を加えて瓶内で発酵させる方法。最高級スパークリングに用いられる方法でもっとも時間とコストがかかります。シャンパンはこの方法で製造されます。◆シャルマ方式非発泡性ワインを大きなタンクに入れ密閉しタンクの中で二次発酵させる方法。一度に多くの量を生産でき時間も短時間でスパークリングワインを製造することが出来ます。
◆トランスファー方式シャンパン方式とシャルマ方式の中間のような方式。非発泡ワインを瓶に詰め発酵させたあとタンクに移し冷却、ろ過して再び瓶詰めする。◆炭素ガス注入方式直接炭酸ガスを瓶に注入する方法。最も安価な方法で大量に製造できるので広く使用されている方法です。
◆ノンヴィンテージ(NV)ラベルにヴィンテージの表記がなく、さまざまな年の葡萄を使用して造られる。瓶内熟成15ヶ月以上。◆ミレジメ表記している年に取れた葡萄を使用(20%は他のヴィンテージ使用可)。瓶内熟成3年以上。葡萄の出来の良い年だけ造られる。
◆RM(レコルタン・マニュピュラン)自社でぶどうの栽培から醸造、瓶詰めまで全て自社で製造する生産者。◆NM(ネゴシアン・マニュピュラン)ぶどうの一部または全てを購入し製造する生産者。上記の製造形態が多く知られていますが、その他にシャンパーニュ協同組合の製造会社のCM(コーペラティヴ ド マニピュラシオン)、ぶどう生産者の協同組合のRC(レコルタン コーペラトゥール)、同族の葡萄栽培者によって構成される会社のSR(ソシエテ ド レコルタン)もあります。
◆ブランドブランブドウ品種の白ぶどう(シャルドネ等)のみを使用して造られるスパークリング。(希にシャルドネ以外の白ぶどうを使用してブランドブランと呼ぶスパークリングもあります。)◆ブランドノワールブドウ品種の黒ぶどう(ピノノワール、ピノムニエ等)のみで造られたスパークリング。
◆抜栓方法(開け方)コルクをポンと音を立てて開けるのってどうなの?お祝いの時などは良いかもしれませんが通常シャンパンは音を立てないように開けるのがマナーです。では、音を立てないように開ける方法とは?コツさえわかれば、スパークリングワインをスマートに開けることが出来るようになります。
1.キャップシールを剥がす。ボトルの上部を覆っている部分に取り外せるシールがあるのでそれを外すか、ソムリエナイフを使用する場合(ソムリエナイフを使用する場合はここでしか出番はありません。)は前回のワインのキャップを剥がす要領でボトルの上部に切り目を入れ、上下に線を入れ一気に剥がす。
2.シャンパンキャップを外す。栓を抑えながら針金を緩めていく。栓を抑えないと気圧の変化でコルクが飛び出る場合があるので栓は指で抑えていてください!
栓を綺麗なリネンやタオルで覆い栓が飛び出ないようにしっかり握る。
3.ボトルを回す。ボトルを握っている瓶の方をゆっくり回す。コルクは回さない。コルクが浮いてきたらボトルを少し傾け中のガスを逃がしながら静かに抜く。栓を抑えつつ最後にボトルを傾けながら栓を抜くのがコツです。少し握力が必要です。
4.コルクを抜くボトルを傾けると上部の部分に空気が入る隙間ができるので。最後5ミリ程度まで抜いたら最後はゆっくりと音を立てず抜きます。コルクの状態でワインの状態もわかるのでコルクの香りを嗅いで状態が良いかどうか確認してください。最初は難しいかもしれませんが慣れればスマートに開けられるようになりますのでチャレンジしてみてください。
◆抜栓後の保存方法スパークリングワインはコルクを抜いてしまいますと泡の持続力の保持が難しいので長期保存は出来ません。通常の非発泡ワインと同様、バキュバンと言われる空気を抜いてワインを保存するものもありますが、1日〜2日で泡の持続力がなくなってしまうので開けたらなるべく早く飲みきってしますのがお勧めです。◆終わりにスパークリングワインの生産地や作り方の種類によって名称も違うので違いを知ればレストランやお店でスパークリングを選ぶときもお得に楽しく選ぶことが出来ると思います。次回はブルゴーニュワインの格付けについてお伝えします。 バックナンバーはこちらから Vol.1 ワインの保存方法、開け方、保存方法について